第7回 アジア・太平洋エコビジネスフォーラム 実施報告書
目次 | ページ | |
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前半 | 1. 開催概要 | 1 |
2. 開催趣旨 | 1 | |
3. 企画内容 | 2 | |
4. 実施内容 | 9 | |
4-1. 会場の準備 | 9 | |
4-2. 委託先の対応要員の配置 | 9 | |
4-3. 会場レイアウト、備品 | 10 | |
4-4. 議事録 | 15 | |
後半 | 5. エコビジネスフォーラム会議資料 | 54 |
6. 参考資料 | 136 | |
6-1. 参加者名簿 | 136 | |
6-2. 参加者数・神奈川新聞記事 | 138 | |
6-3. チラシ | 139 | |
6-4. プログラム | 141 | |
6-5. 宿泊者用案内パンフレット | 145 | |
6-6. グリーン電力証書 | 147 | |
7. フォーラム写真 | 148 |
第7回アジア・太平洋エコビジネスフォーラム 報告書(概要版)
平成23年(2011年)2月14日(月)・15日(火)
開催場所:川崎市産業振興会館(川崎市幸区堀川町66-20) 9階第3研修室
主催 : 川崎市
共催 : 独立行政法人国立環境研究所(NIES)
協力 : NPO法人産業・環境創造リエゾンセンター
財団法人川崎市産業振興財団
NPO法人環境文明21
後援(政府): 環境省経済産業省
後援(団体): 公益財団法人地球環境センター(GEC)
イクレイ-持続可能性をめざす自治体協議会(イクレイ日本)
財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)
開催趣旨
川崎市では、環境と産業が調和した持続可能な都市モデル形成を目指して、国連環境計画(UNEP)との連携により、市内企業の優れた環境技術や本市の環境保全の経験を活かし、工業化途上の都市の環境対策や環境配慮への取組を推進しています。
先進的な環境技術・戦略の情報交換の場として、また、UNEPエコタウン・プロジェクトへの協力の成果を共有する場として、第7回アジア・太平洋エコビジネスフォーラムを開催します。なお、本フォーラムと同時期に「川崎国際環境技術展2011」を開催します。
第1日目:2月14日(月) 10:00~12:00、13:00~17:00
加藤三郎(川崎市国際環境施策参与)
阿部川崎市長に代わり、皆様方に歓迎と御礼のご挨拶を申し上げる。まず、アジア・太平洋エコビジネスフォーラムとその専門家セッションへのご参加、特に中国を始めとする外国の諸都市から川崎においでいただいた皆様に対して、主催者として心より歓迎と御礼を申し上げたい。このフォ―ラムは今回で7回目となるが、今回も国立環境研究所、UNEP-IETC、アジアの諸都市、そして川崎に立地している企業等から手厚いご協力をいただいていることに対し厚く御礼申し上げる。川崎市は、環境問題に果敢に積極的に取り組み、省エネ・省資源・廃棄物の再生資源化に関する技術やシステムを確立した。それらは97年に導入された「エコタウンポリシー」の中に集約されている。阿部市長は、川崎がこのような貴重な経験を踏まえ、環境技術や政策をアジア・太平洋の諸都市や企業の皆様と共有し、互いに学び合う場として、このエコビジネスフォーラムをUNEPや専門研究者の並々ならぬご協力をいただきながら開催することとした。このフォーラムが、有益な情報交換を行い、大いに学びあえる場となることを期待する。
■セッション1:研究セッション
藤田壮(国立環境研究所(NIES) アジア自然共生研究グループ環境技術評価システム研究室長)
日本では、1997年から2006年にかけて26のエコタウンが事業として認定された。この中でも、北九州および川崎市は最初にエコタウンとして承認を受け、川崎市は先駆者としてエコタウンのプロジェクトを牽引し、これまでに培ってきたリサイクル技術を、国際社会に展開してきた。このエコタウンにおける、産業や技術が非常にグリーン化した環境技術や、技術と政策システムを適切な形で組み合わせるというノウハウを、国際社会、特にアジアのステークホルダーに対して提案し、各国それぞれのスタイルに転換し、転用、共有していくべきであると考える。さらに、グリーンシティまたは低炭素都市の実現に向けて必要なコレクティブイノベーションや技術イノベーションを実施するためのアイディアを、このフォーラムで議論したい。
Hung-Suck Park (韓国ウルサン大学教授)
ウルサン国立工業団地についての概要、韓国のEIPの基本計画、ウルサンEIP政策についての詳細と成果、そして我々の目標とねらいについて説明する。ウルサン市は、川崎市と同規模の都市であり、韓国における産業首都と言える。GNPの70%がこの地域から生産されており、15の産業団地を有する。「KICOX」という政府企業が、地域経済部のもとでEIPプロジェクトを担当しており、政府や参加企業からの資金援助を受けて、資源、エネルギーの再利用、ゼロエミッション、そして企業や地域との調和を推進し、どのように業界の資産あるいは韓国のステータスを長期に渡って維持していくかということを管理している。将来的な展望として、EIPのプロジェクトとしての広がりとして、国際社会との情報共有と協力をもとに、持続可能なエコポリスの実現に取り組み、「グリーングロウス」という考え方を拡大していきたいと考えている。
■セッション2:都市の環境の取組
阿部孝夫(川崎市長)
本日は第7回アジア・太平洋エコビジネスフォーラムにお集まりいただいたことに、主催者を代表し御礼を申し上げたい。今回で7回目を数えるが、これまでにこのフォーラムを契機としてUNEPエコタウンプロジェクトや国連グローバルコンパクトへの参加、瀋陽市との循環経済発展協力協定の締結等が実現した。今後もアジア・太平洋エコビジネスフォーラムを契機として、川崎市の環境技術が活かされ、世界の環境改善に貢献する事例が生まれることを期待している。2013年には、環境技術による国際貢献の場として産学公民研究センター(仮称)の環境総合研究所が開設される。今回のフォーラムには、瀋陽市、ペナン市、ウルサン市をはじめとして、国内外から多くの皆様にご参加いただいている。地球規模で温室効果ガスを大幅に削減するには、エネルギーの効率化、資源の効率化を図る環境技術が不可欠である。かけがえのない地球環境を守るための取組や技術を共有出来れば誠に幸いである。
スーリア・プラカシュ・チャンダック(国連環境計画国際環境技術センター(UNEP IETC) 副所長)
今回で7回目のフォーラム参加となるが、この7年間、どのようにしてエコビジネスが成長し、拡大したか、そして効果的になったかということを、我が目で見てきた。本日は重要な点を2つ申し上げたい。第1に、この廃棄物管理の問題は各国、特に途上国にとって重要なものとなってきているということである。また、第2に、廃棄物管理に関してもグローバルなパートナーシップを持つということである。我々は廃棄物管理に関するグローバルパートナーシップ(GPWM)の導入を提案したい。GPWMの目的は、構造的な利用可能な情報が必要であり、この情報プラットフォームを構築するということである。次の理事会に日本政府が参加するとすれば、廃棄物の問題が重要であることをすべての国の政府の支援が必要であることを政府代表に伝えていただきたい。
王莉(中国・瀋陽市環境保護局副局長)
中国環境保護局を代表し、我々が行っているプロジェクトの重点計画の内容と位置づけとプロジェクトの推進状況について説明をしたい。このプロジェクトの目標は、循環型経済やエコ産業・低炭素理念を掲げる国の理念を、5年をかけ2012年までにエコシティを建設する5つの特徴(エコ産業モデルタウン、静脈産業エコタウン、エコ環境改善モデルタウン、政府による環境管理モデルタウン、住民参加型の環境保護モデルタウン)を持った基礎をつくることである。瀋陽市では、1つの都市、4つの区、5つのモデル基地、100のプロジェクトに及ぶマスタープランを策定した。各プロジェクトの実施・実践により、産業パークのエコ化、河川環境の整備、グリーンユニットの設立等を進めてきた。これまでに多くの友好国から大変多くのサポートをいただいたことに大変感謝をしている。
藤田眞(公益財団法人地球環境センター事業部企画調整課長)
地球環境センター(GEC)は、昨年のフォーラムがきっかけとなり、2010年9月にUNEP-IETCのエコタウン・プロジェクトの対象都市の1つであるバンドン市でエコタウンワークショップを共催した。この目的は、エコタウンの実施やエコタウン、エコシティに向けたインドネシアおよび日本での自治体、地域、民間企業の情報や経験を共有すること、環境に及ぼす負の影響を軽減させ、循環型社会を形成するために地域や民間企業によって採用される適正な技術に関する情報を提供すること、そして環境技術の適正な利用のために必要となる組織の環境に対する方針や施策が重要であるということに光をあてる、ということである。このように情報公開や情報共有が、ステークホルダーの認識向上につながる機会の提供が循環型社会の構築のために役立つものと考える。
Wismen A. Bendula (マレーシア・ペナン市社会経済・環境研究所研究者)
ペナン市の環境政策および開発、重要な環境保全戦略、その変化、導入しているプログラムについて発表する。ペナン市は、産業政策の結果、環境が破壊されたことを背景に、1991年にペナン開発環境計画を導入した。2001年から2010年までにペナン戦略開発計画2が計画され、包括的でありかつ持続可能な開発への移行に関する戦略が提案された。生態学的、環境学的な持続可能性は経済面および社会面における持続可能性の基礎となっているという考えが生まれた。さらに新しい政策を導入し、2011年から2015年の時間枠の中で行うこととしている。ペナン市をマレーシア初の緑の州、「グリーンステート」に変えようとする構想を、ペナン市の州政府が新しく打ち出している。ペナン市のエコタウンについて、州政府と地元自治体が主要関係者となりつつ、より多くの人達に参加してもらうため、ペナン島と本土とが一緒になり、より多くの産業関係者にも参加を仰いでいる。
牧葉子(川崎市環境局理事環境技術情報センター所長事務取扱)
国際拠点空港化した羽田空港の向いの殿町地区に、川崎環境総合研究所をつくり、世界最高水準のR&D拠点を形成するプロジェクトについて発表する。これは、高度なものづくり技術を有する企業やエネルギー・素材関連の企業群が集積する川崎臨海部に、センターを中心として、環境とライフサイエンス分野の研究開発の拠点を整備しようという取り組みである。PPP方式を取り入れ、公共投資だけではなく、民間セクターを利用する。川崎市と連携してこの事業を運営したいという民間企業も名乗りでてきている。川崎市は、現場を大切にしながら、環境総合研究所を中心にグリーンイノベーションネットワークをつくり、アジアを始めとする海外市場への展開を促進することにより、我が国の経済成長を力強く牽引する。
第2日目:2月15日(火) 9:30~12:30、13:30~17:00
■セッション3:川崎から発信するグリーンイノベーション
藤田壮(東洋大学特任教授)
日本のグリーンイノベーションそしてグリーン産業について大事なことは「低炭素社会の実現」ということである。「2050年に80%削減」という目標実現のために、革新術の開発と既存先進技術の普及、国全体を低炭素化へ動かす社会的な変革、そしてエコモデルや低炭素の取り組みを地域的に導入していくことが重要である。川崎市は、非常に革新的なリサイクルシステムを導入しており、先進的な物質の循環やエネルギーの循環等によって効果的な都市を満たすグリーンイノベーションシティを実現している。低炭素都市を形成することにより、日本発信の「環境イノベーション」技術・施策のパッケージのアジア展開を進め、日本とアジア、欧米の環境都市提携による低炭素ナレッジの共有と補完効果を図り、持続的な低炭素のガバナーシステムを提案していくことが我々の研究の1つの目的である。
小早川智明(東京電力株式会社神奈川支店営業部エネルギー担当部長)
東京電力は、電力の供給サイドよりむしろ需要サイドに対してどのように貢献できるかという観点から話をしたい。今後、エネルギーに求められる要素が多岐に渡ってきているが、豊かさ、エネルギーセキュリティー、環境対策・低炭素の3点を同時に満たすことが重要であると考える。CO2の排出の根源である化石燃料に替わるものとして、ヒートポンプを用いて電化を推進していくとエネルギーイノベーションにつながるのではないかという提案をしたい。これは、ヒーターで加熱するのではなく、自然界の熱から温度を上昇する機械である。1)貯めて使う-熱を蓄えて需要に対応。ICTを使い需給バランスを制御するスマート化への発展も可能。2)個別分散化3)インフラの多機能化という方法を軸に、ヒートポンプ、通信ネットワーク、電力ネットワーク、熱源水のネットワークを都市インフラにパッケージ化しながら実践していくことが、ゼロエミッションを実現する都市像ではないかと考える。
飯野穣(株式会社東芝電力・社会システム技術開発センター制御システム開発部主幹)
東芝は、制御・機器単体といったコンポーネントからシステムインテグレーションを中心に開発で環境に貢献しようと考えている。ICT(情報技術)のスマートグリッド、スマートコミュニティが注目される中、東芝の取り組むスマートコミュニティの実現に向けたエネルギー管理技術-BEMS(ビル向けのエネルギー管理システム)とHEMS(住宅向け)、CEMS(コミュニティ向け)について紹介したい。BEMSとは、ビルそのものを省エネする考え方と、ビルと他の系統・電力供給システムと連携させる考え方である。省エネルギー、創エネルギー(太陽光発電)、蓄エネルギー(蓄電池、電気自動車)、ヒューマンセンシングや快適性重視の省エネといった技術を検討している。HEMSとは、家庭のエネルギー利用最適化により、自然エネルギーの導入拡大に貢献する考え方である。CEMSとは、ビルからビル群へ、ビルを複数束ねて地域全体でエネルギー管理をするという考え方である。今後、このような技術を実現して世の環境問題への貢献に役立ちたいと考えている。
小林延秀(川崎市総合企画局神奈川口・臨海部整備推進室室長)
川崎市は、100年前に近代化し、工業地帯の発祥地として造成、合併し、工業地帯の造成と合わせて多摩川に沿って広がって発展してきた。羽田空港の目前に年間400万トンの製鉄所、2つの石油コンビナートを擁する工業地帯があり、富士山が見えるという環境を維持しながら生産活動しているのが川崎市である。同時に、資源循環・廃棄物処理、廃家電リサイクル等の産業が特に集積してきたという特色を持つ。この地理的・歴史的な特性を活かし、環境分野の研究開発の中核拠点として環境総合研究所を開設するという計画がある。計画的かつ科学的に環境施策を推進・研究し、川崎市発の環境技術を世界に発信したいと考えている。
耿涌(中国科学院応用生態研究所教授)
なぜ中国がグリーン成長戦力を導入することになったのかという視点で、戦略の話をしたい。第12 5ヵ年計画の実施にあたり、新たなチャレンジを行いエネルギー不足の問題や環境問題等の問題解決にあたってきた。この問題解決には、利害関係者の協力が必要である。瀋陽では、基幹となる産業セクターを対象に、産業が発展しEIP、CIPを展開している主要な都市でプロジェクトを進めている。低炭素社会を実現するため国家的な発展の中で行っている。遼寧省が低炭素経済の拠点に選ばれ、中国科学院が中心となり、より持続可能な発展を支えるための実証実験的プロジェクトが複数の地域で行われている。低炭素社会・経済の発展のアプローチを目指している。年間のエネルギー消費量を考えながら全体的なパフォーマンスを上げ、経済発展のアプローチによって将来の持続可能な社会につなげていくのが我々の目的である。
■セッション4:環境技術の国際展開について
大森恵子(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課循環型社会推進室室長)
アジアで3Rを進めるにあたり、課題として廃棄物の発生量の増大と質の多様化、資源価格の高騰、廃棄物や循環資源の国境を越えた移動の増大、温暖化対策の必要性がある。それぞれに廃棄物処理だけでなく製品の製造、消費の段階からの対策、資源効率性改善、廃棄物の循環資源利用拡大、各国協調の取り組み、エネルギー効率性改善、温暖化対策との共便益の追求が求められる。それらをまとめて3Rの推進と廃棄物の適正処理を目指し、各国政策における3Rの優先化、3Rの具体的プログラムの実施、各主体の参加・協力を進めるために各国、国際機関、援助機関、事業者が参加していく枠組みが重要である。日本は、これまでアジア各国に対して3Rの協力を行っている。各国と政策対話を緊密に行い、3Rの国家戦略策定の支援も行っている。協力のスキーム、国際機関とも連携しこれまでの協力をさらに進めるため技術と制度をパッケージとして展開し、各国の3R実施を支援したいと考えている。
藤田壮(国立環境研究所(NIES) アジア自然共生研究グループ環境技術評価システム研究室長)
来年から環境省が静脈メジャー事業を始めるが、瀋陽市と川崎市は、先行する第1段階として位置づけられている。スタートはエコタウンであり、26のエコタウンで170の事業が動いている。また、瀋陽市とともに地域循環圏を創るという事業が始動している。以下の5点を要点として、マスタープランづくりを行った上で技術展開していきたいと考えている。
- 1.日本の技術のベネフィットとコストを客観化。
- 2.日本の仕組みを進化させるような制度設計が必要。
- 3.技術の解体を行いリエンジニアリングが必要。
- 4.地域の立地を含めた総合計画の立案が必要。
- 5.日本と中国の企業や行政の考え方の違いから、客観性を担保する協議機会をつくる。
藤田眞(公益財団法人地球環境センター事業部企画調整課長)
GECは、エコタウンリサイクル技術データベースの作成のため、開発途上国における廃棄物リサイクル促進のための取り組みについて、また民間企業、地方自治体について調査を行った。これはインドネシアのバンドン市、またマレーシアのペナン市を対象とした。調査の結果わかったことは次の通りである。日本だけでなく、どの自治体・民間企業・市民も、いずれは廃棄物処分場の不足に直面することになる。資源循環のための計画策定、技術選定、実施方法、イニシアティブ、パートナーシップ支援システム等に関しては多種多様でフレキシブルである。地域の状況に適したものを柔軟に採用すれば、資源循環が促進される。自治体も民間企業もトップリーダーの強力なリーダーシップが重要な成功要素となる。また、様々なステークホルダーを巻き込むことはパートナー、資金、廃棄物減量、技術支援の確保に非常に役立つ。最後に、市民の協力・理解を得ることが非常に重要である。GECはこれらの情報を編集して、今年データベースを構築する。
大賀隆宏(JFEエンジニアリング株式会社事業企画部部長代理)
JFEが取り組んでいる資源循環ビジネスについて説明したい。JFEでは、製鉄、造船、都市開発、マイクロエレクトロニクス、エンジニアリングビジネスを行っている。JFEエンジの中には、エネルギー、環境、リサイクル、高構造、産業機械の5つの事業セクターがある。中でも、リサイクル事業については、公害を克服するための様々な取り組みを通して、高度な環境技術が蓄積されている。JFEが培ってきた技術を世界に向けて発信していくために、積極的に海外展開に取り組んでいる。リサイクルビジネスでは、国と地方政府、市民、企業の協力関係がこの事業の成り立ちのためには不可欠である。
Hung-Suck Park (韓国ウルサン大学教授)
韓国政府がグリーンイノベーションを達成するために、産業共生のプロジェクトをどのように進めているかについて発表する。既存のものを刷新するプロセスであるイノベーションに対して、ビジネス上の価値を提供すると同時に環境への影響を大幅に低減させる新製品やプロセスがエコイノベーションである。これに加え、韓国では、長期的な低炭素「グリーングロウス」の戦略を打ち出している。これは、経済と社会、環境の発展を両立させていこうという戦略である。少ない天然資源を利用して、輸出主導型の韓国の経済をさらに発展させていこうという考え方である。この気候変動の問題に対処するための世界的な取り組みに貢献し、そしてグリーングロウスを通じて低炭素社会を実現すると考えている。2013年釜山にてISIE会議を開催する予定である。この中国・日本・韓国が共催する東アジアの最初の会議に期待している。
スーリア・プラカシュ・チャンダック(国連環境計画国際環境技術センター(UNEP IETC) 副所長)
廃棄物管理に関するグローバルパートナーシップ、マンデートとは何か、ということについて発表したい。廃棄物管理というのは非常に複雑である。多くの問題、課題、複雑性がある。その場合に、1つの組織でこの廃棄物管理を担当することは出来ない。多くの利害関係者に協力を仰ぐことが不可欠である。2010年1月に大阪で会議を行い、文書が出され、一定の定義が導入された。我々は、廃棄物管理に関するグローバル・パートナーシップ(GPWM)を提案した。この情報プラットフォームの構造として、廃棄物のベースラインデータ、プロジェクトに関する計画・成果、ガイドラインという3つの柱がある。もしご参集の皆様が興味・情報をお持ちであれば、是非アクセス・提供していただきたい。