第8回アジア・太平洋エコビジネスフォーラム開催報告

第8回アジア・太平洋エコビジネスフォーラム開催結果(テーマ:都市と産業の共生に向けて)

2012年2月8,9日に「第8回アジア・太平洋エコビジネスフォーラム」が開催されました。フォーラムには、220名の参加者が集まり、川崎の公害克服に向けて取り組んだ経験や、その過程で蓄積された優れた環境技術をベースとして、先進的な取り組みに関する情報・経験の共有が行われました。

2012年2月8日(水)・ 9日(木)(国際環境技術展は10日~ 11日開催)

会場: 川崎市産業振興会館(川崎市幸区堀川町66-20)9階第3研修室

主催: 川崎市

共催: 国連環境計画 国際環境技術センター(UNEP IETC)

協力: NPO 法人環境文明21、独立行政法人国立環境研究所、NPO 法人産業・環境創造リエゾンセンター、公益財団法人川崎市産業振興財団

後援: 経済産業省、環境省、イクレイ—持続可能性をめざす自治体協議会(イクレイ日本)、財団法人地球環境、戦略研究機関(IGES)、公益財団法人地球環境センター(GEC)

言語: 英語、日本語(日本語⇔英語、日本語⇔中国語の同時通訳あり)

背景と目的:

本市は、京浜工業地帯の中核として高度経済成長時代(1960~1970年代)を牽引してきましたが、急速な環境悪化を招き、大気汚染などの公害問題が起きました。

本市は公害克服に向けて市内企業や行政など様々な取り組みを行い、その過程で蓄積された経験や優れた環境技術を活かした国際貢献を進めるべく、平成15年(2003年)10月にクラウス・トッファーUNEP事務局長(当時)と阿部市長が会談し、翌年6月にはUNEP主催の国際シンポジウムが本市で開催されました。

平成17年(2005年)1月には、工業化途上の国々の環境対策や地球温暖化防止に貢献するため、第1回アジア・太平洋エコビジネスフォーラムを国連環境計画(UNEP)との連携により開催しました。

平成24年(2012年)2月に先進的な環境技術・戦略の情報交換の場として、第8回アジア・太平洋エコビジネスフォーラムを川崎国際環境技術展2012 と一体的に開催し、特に第8回フォーラムの特徴として、2012 年6月には、リオ・デジャネイロ(ブラジル)で「国連持続可能な開発会議」(リオ+20)が開催されることから、国際的な動向等についての情報共有も図りながら、環境技術による国際貢献の拠点である「環境総合研究所」の2013 年の開設に向けて国際的なネットワークの構築を目指します。

結果の概要:

フォーラムには、インドネシアやマレーシア、ベトナム、中国の自治体・民間企業・NGO・教育関係者など2日間で延べ220名が参加し、エコタウンやRio+20、グリーンイノベーション、静脈産業への国際展開、最後にアジアの水環境について発表が行われました。

マレーシアペナンでは、2008年・2009年にUNEPエコタウンプロジェクトの支援を得て、環境に関する枠組みの構築を州全土に拡大させ、より持続可能なペナン州をつくる取り組みを行っているところです。インドネシアバンドンは、2006年にUNEPエコタウンパイロットプロジェクト実施都市に選ばれ、現在もバンドン循環社会実現のためNGOや民間セクターなどとのネットワークや協働促進の取り組みを行っているとの発表がありました。瀋陽市は、環境モデル都市づくりが進んでいることが分かりました。参加された方は、フォーラムを通して様々な関係者により実施されている環境への取り組みに関する情報を発信し共有することができました。

第8回フォーラム実施報告書(概要版)(PDF形式, 718KB)
■1日目 プログラム【平成24年2月8日(水) 川崎市産業振興会館】
内容 発表者 発表資料(PDF)
主催者挨拶 川崎市長 阿部孝夫
Session1:エコタウン
ペナン、バンドン等アジア各都市の環境の取組み及び環境教育の取組等について情報共有を図る。
コーディネータ:川崎市国際環境施策参与 加藤三郎
『瀋陽における循環経済の開発などについて』 中国科学院 応用生態研究所
研究員 Dr. Liu Ye
『バンドン市の環境保護と調和に向けたバンドンエコタウンプログラム行程』 バンドン市役所市長付情報技術専門スタッフ
Ms.Kamalia Purbani
資料(PDF形式, 2.4MB)
『バンドン・グリーン&クリーンプログラム』 バンドン市NGO:バンドングリーン&クリーン
プログラム Mr. Rohadji Tri Wahyono
『世界的取組み地元の行動:緑の州構想』 ペナン研究所Senior Research Analyst/Manger
Mr. Khor Hung Teik
資料(PDF形式, 0.6MB)
『中スブラン・ブライにある環境資源センターの構想』 ペナン市 NGO:環境リサイクルセンター
Mr. Ng Tho Heng
資料(PDF形式, 1.8MB)
『川崎市における環境教育・環境学習の取組』 川崎市環境局環境調整課 環境教育・学習担当 課長 藤巻 浩 資料(PDF形式, 3.8MB)
Session2:リオ+20に向けて
リオ+20に向けた国際的なグリーンエコノミーの動向や各ステークホルダー間の情報共有や開発途上国の環境問題の解決に向けた国連環境計画 国際環境技術センター(UNEP/IETC)における廃棄物管理に関するグローバルパートナーシップの構築等の取組等国際的な動向について情報共有を図る。
コーディネータ:川崎市国際環境施策参与 末吉竹二郎
『Rio+20を含むUNEP IETCの取組みなどについて』 国連環境計画国際環境技術センター(UNEP IETC) 所長 マシュー ガブ
『日本のエコタウンにおける廃棄物リサイクル及びリサイクル推進の取り組みの情報発信のためのGECの事業について』 公益財団法人地球環境センター(GEC)事業部
企画調整課長 藤田 眞
資料(PDF形式, 1.0MB)
『グリーン経済発展による建設モデル都市づくり』 瀋陽市環境保護局モデル都市創建オフィス対外連絡処
処長 赵虹(zhao hong)
資料(PDF形式, 1.9MB)
『リオ+20に向けた持続可能な開発や環境問題へのIGESの取組み』 財団法人地球環境戦略研究機関(IGES) 統括研究プログラムマネージャー 藤原聖也 資料(PDF形式, 2.3MB)
■2日目 プログラム 【平成24年2月9日(木) 川崎市産業振興会館】
内容 発表者 発表資料
Session3:グリーンイノベーション
環境・エネルギー産業が牽引するグリーン・イノベーション推進に向けた情報共有等を図る。
コーディネータ:(独)国立環境研究所 環境都市研究研究プログラム統括社会環境研究システム研究センター環境
都市システム研究室長 藤田 壮
資料(PDF形式, 5.5MB)
『中国における低炭素経済の開発について』 中国科学院 瀋陽応用生態研究所
教授 耿涌 Geng Yong
『スマートコミュニティが創る成長戦略』 株式会社 東芝 スマート事業統括部
主幹 飯野 穣
『スマートエネルギーネットワークによる省CO2まちづくり』 東京ガス株式会社 都市エネルギー事業部 係長 市ヶ谷真紀子 資料(PDF形式, 1.7MB)
『川崎市におけるスマートシティへの取組』 川崎市環境局 地球環境推進室 室長 福芝康祐 資料(PDF形式, 4.8MB)
Session4:静脈産業の国際展開
日本の静脈産業が海外において事業展開することを支援し、世界規模で環境負荷の低減を実現し、経済の活性化につなげるための政府、企業、国際機関、研究機関等の取組等について情報共有を図る。
コーディネータ:(独)国立環境研究所社会環境システム研究センター
環境都市システム研究室 主任研究員 藤井 実
『日本の静脈産業の海外展開促進について』 環境省廃棄物・リサイクル対策部循環型社会推進室 室長補佐 木村 正伸 資料(PDF形式, 1.9MB)
『家庭内コンポスト作り産業』 企業バンドン家庭ごみコンポスト製造会社
Ms. Dwi Retnastuti
資料(PDF形式, 1.5MB)
『Shan Poornam Metalsの取組み』 企業Shan Poornam Metals Sdn Bhd, Malaysia Director/COO マーケティング部長Ms. Rose Kuan
『JFEの静脈産業における海外展開について』 JFEエンジニアリング株式会社
リサイクル本部企画部 課長 大平勝彦
資料(PDF形式, 4.9MB)
『静脈産業推進を含むUNEP IETCの取組みなどについて』 国連環境計画国際環境技術センター(UNEP IETC)
企画官 ムシタク アハメド メモン
Session5:アジアの水質汚濁に係る法制度と技術ニーズ
アジアの中でもとりわけ発展著しいインドネシアとベトナムの行政官を招聘し水質汚濁に係る法制度や技術ニーズの現状と将来展望に関する講演と意見交換を行う。
コーディネータ:川崎市環境局担当理事 牧 葉子
『アジアの水質汚濁に係る法制度と技術ニーズ』 環境省水・大気環境局総務課環境管理技術室
室長 西本俊幸
資料(PDF形式, 0.6MB)
『インドネシアにおける水・排水管理の現状』 インドネシア環境省第7局標準化・環境技術担当課
課長補佐 Arif Wibowo
資料(PDF形式, 2.0MB)
『ベトナムにおける環境対策技術―現状及び将来への展望―』 ベトナム天然資源環境省環境総局環境管理科学院
副院長 Dr.Do Nam Thang
資料(PDF形式, 2.2MB)